ファンタジー

思い出してしまった。
振り返ると、あの辺りから「今」に向かって何かが狂い始めたんだ。
あの晩酔っ払って気分が悪いからとタクシーにも電車にも乗りたく無いと言うから、新宿から、池袋まで歩いためちゃめちゃ寒かった10月のあの日。
あの日に気がついてあげれば、「今」は無かったのでは無いか?

シアトルに行くのを見送りに来てくれたあの朝。
元気が無いね?と問うた私に「風邪みたい」と言う君がおかしかった事に気がついてあげていたら「今」は起きなかったんじゃ無いか?

後悔ばかりしてしまう。
今更だとは分かっているのだけれども。

後ろを振り返っても仕方が無いから、未来に向けて何かファンタジーを描こう。

少しでも今より口元が緩むような。